ボイラ漏洩事故はなぜ起こる?

こんにちは!

定期検査支援サービス”Smart Inspection” 開発者の西田です。今日は、ボイラ漏洩事故の原因について書いてみたいと思います。

本質的な原因は検査項目

事故の原因というとその根本的なものまで含めると実は「適切に検査していなかったから」という話に行き着くことが多いと思います。

漏洩事故の99%は検査していなかった部位で起こる

MHPSベテランエンジニア談

実はこの言葉が私たちがSmart Inspectionというサービスを提供している理由の一つなのですが、ボイラという設備ほど適切に検査することが難しいものはありません。

高さ数十メートル、幅や奥行も数十メートルの大きな設備に無数に走っているボイラチューブ。これは数メートル単位のチューブを溶接によってつなぎ合わせることでつくられています。決まった場所で漏洩事故が起こるとわかっていれば良いのですが、設備の上から下まで、前から後ろまでほとんどの場所でトラブルは発生しています。

しかも、問題をややこしくしているのは、設備の仕様や運転状況に応じて発生リスクと発生部位が変化していく上に、数十年単位で使用されていくため、過去の経緯をしっかりと追いかけながら対応していくことが難しいという側面があります。

以上のように本質的な問題は、漏洩事故発生リスクに応じた適切な検査ができているか?ということになるのですが、今回はメカニズムの事象が漏洩事故を引き起こしやすいかということを整理していきます。

頻度の多い事象

ここでは、発生頻度が多い事象を述べていきたいと思います。ご担当されているボイラユニットの特性に合わせてどんな事象のリスクがあるかな?ということを考えてみていただけると嬉しいです。主な事象としては、以下の4つになります。それぞれについて書いていきます。

  • 疲労
  • クリープ
  • エロージョン
  • 腐食

疲労

疲労という事象は過去のボイラ漏洩事故の中でも非常に件数、割合が多い事象になります。このメカニズムの基本的な考え方としては、熱を加えると伸び、冷ますと縮むという金属の特徴によるものです。なのでボイラユニットを起動(熱する)したり、停止(冷やす)したりということを繰り返すことで、金属に疲労が蓄積され、き裂がうまれてしまうものです。特に溶接個所など伸び・縮みの激しいパーツとあまり変化がないパーツの接点に疲労は集中する傾向がありますので、疲労による漏洩事故は、溶接個所で発生することが多いです。

疲労による漏洩個所

クリープ

特に高温・高圧の蒸気を発生させるような厳しい条件で使用されるボイラユニットにおいて特に、事故の発生件数、割合が多くなる事象です。クリープという言葉は英語で書くとcreepと「忍び寄る」などと訳されたりします。これはどういうことかというと、材料にはその成分に応じて寿命というものがあります。「どんな温度、圧力条件で、何十万時間くらいの寿命を材料として持っているか?」ということ研究所で実際のサンプル材料を使って試験をしたりしながら寿命を定めているのです。

基本的にこの寿命に至っていなければトラブルになることはないのですが、想定よりも高い温度で運転がされてしまう、もしくは異物がボイラチューブの中に混入してその周辺の金属だけすごく高い温度になってしまうなどの場合、寿命が縮まってしまいます。

想定より寿命が早まってしまうことで、漏洩事故が発生するということになります。

クリープによる漏洩個所

エロージョン

これは物理的な接触によって、ボイラチューブの外表面が削り取られてしまい、それが進むとチューブの肉厚が薄くなりすぎて中を通っている水や蒸気の圧力に耐え切れなくなって漏洩してしまうことを指します。どのようなもので外表面が削り取られるのかと言えば、ボイラユニットの中で燃えた燃料の排ガスであったり、排ガス中に含まれている灰の粒子であったり、ボイラの中を清掃するために設置されているスーツブロワ・デスラッガといった設備から噴出される蒸気であったりとさまざまです。

一般的には、長い期間を経て、チューブの肉厚が徐々に薄くなり、チューブの中を通る水や蒸気の圧力に耐えられる厚みよりも薄くなってしまったときに漏洩事故が発生します。

エロージョンによる漏洩個所

腐食

こちらは、ボイラユニットの中で燃料中の硫黄分など腐食成分が悪さをしてボイラチューブ表面を少しづつ減肉させてしまったり、ボイラに供給される水のpH値などの問題でチューブの内面が腐食して減肉してしまったりというケースです。

エロージョンと同じで減肉する事象ですが、こちらはどちらかというと化学的な反応によるものです。

腐食による漏洩個所

まとめ

大まかな事象の分類は以上です。ほかにも細かく分けていくとあるのですが、まずは基本的なことはこの4つを押さえておきましょう。場合によっては、複合的に作用して腐食とクリープ同時に影響してトラブルに至るようなケースもあるので余裕を見て検査をしっかりとしていくことをお勧めします。

以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。よろしければ是非お近くの同僚のみなさまへ共有いただけますと大変嬉しいです!よろしくお願いいたします!

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