モビリティのトレンドに学ぶ発電プラントの自動運転

今回の記事では、自動車業界で盛り上がっている自動運転を参考に、今後火力発電プラントがどのように自動運転が実現されていくのか、その課題をまとめています。

働き方改革をはじめ、最近ではコロナウイルス対策による人の動きの制限など、ますます自動化のトレンドが続く中、どのような対応をしていけば良いかヒントになるかもしれません。

是非最後まで読んでみてください!

自動運転のメリットとは?

10年先、また100年先の”現場”をどのように想像することができますか?無人の発電所?ロボットが巡回?それとも、結局のところいつまでも人に頼る?

色々な考え方があるはずですが、自動運転の主なメリットを以下に挙げました。
 ・事故の減少
 ・監視業務からの解放
 ・プラントの最適運転


 まず一つ目にヒューマンエラーを起因としたトラブルの撲滅とシステムの高度化による重大事故の減少があります。人間が怪我をしてしまうようなトラブルを減らすだけでも十分なメリットであり、自動化は目指すべき方向なのです。

加えて、通常の監視業務は全てシステムでおこない運転員の業務負荷を低減することができます。

余った時間で好きな仕事や好きな余暇を過ごしても良いかもしれません。

また、人工知能による最適運転を実施し、収益の改善と排出CO2の削減など環境へ貢献することも可能です。

これらのことからも自動化は目指すべき方向に違いありません。

モビリティ業界の自動運転
 ここでは、世界共通の移動手段のひとつである自動車の自動運転について紹介します。自動車の自動運転には1~5のレベルが設定されていることをご存じですか。(業界団体により2016年に定義)
 レベル0:ドライバーがすべてを操作
 レベル1:システムがステアリング操作、加減速のどちらかをサポート
 レベル2:システムがステアリング操作、加減速のどちらもサポート
 レベル3:特定の場所でシステムが全てを操作、緊急時はドライバーが操作
 レベル4:特定の場所でシステムが全てを操作
 レベル5:場所の限定なくシステムが全てを操作
現在、日本で市販化されている自動車はレベル2まで有しているようですが、厳密に言うと自動運転ではなく運転支援技術と呼ぶそうです。唯一、ドイツのメーカがレベル3を達成した自動車を発表していますが、道路交通法など法律の整備が追い付いておらず日本ではまだ市販化されていません。

発電プラントの自動運転

先述のレベル1~5を発電所/プラントに置き換えると、どう考えることができるでしょうか。

レベル0はこれまで培われてきた、言わば3現主義を基本としたプラントです。全て人の手で操作おこなうなど、高度経済成長期に作られたプラントはこれに当たります。

レベル1と2はすでに実用化されたものと考えます。ほとんどのプラントが人間の指示により、システムを通して起動/停止や出力のUP/DOWNを自動でおこなっているはずです。

レベル3も一部は実用化済と考えることができます。定常時はシステムに任せ、人間の操作はほとんどなし、緊急時(トラブル発生時)にエラー出力され、必要な措置を人間がシステムに指示します。

このレベルの重要な要素技術のひとつとしてトラブルの予兆検知や早期検知といった、事故や災害を極力抑える技術を各社競って取り組んでおり、詳細は別のトピックで紹介したいと思います。

レベル4以降は、トラブル発生時もシステムが操作することで人の手は全く必要ない状態です。2~3年のうちにここまで到達するのは難しいと肌感覚で感じる方も多いと思いますが、10年後、100年後はどうでしょうか。

自動運転の課題と解決への道筋

レベル3を突破する大きな課題がトラブル発生時にいかに適切に判断/制御できるかという点です。いわば、人間を超える(または人間と同等の)安全運転ができるかという壁です。

モビリティ業界では対向車や歩行者の飛び出しなど、想定しうるあらゆる道路状況をシミュレーションにて再現し自動運転システムの検証を続けているようです。

GoogleやSONYなどIT企業が参入しNEWSを賑わしていることからも、既に業界の主役が変わっている印象すら受けています。
 

では、私たち発電プラントに携わる企業がレベル3を突破するには、何に取り組むことが肝要でしょうか。

一つ目は、過去のトラブル事例の管理です。どのような事故が起きどのように解決したか、正しく情報を整理することが重要です。この情報や経験はIT企業の持たない貴重な資産であり私たちの強みです。その記録ひとつひとつが自動化システムの大きな経験値となります。

二つ目は、ベテランからの技術伝承です。ここでいう技術伝承とは若手のスキルアップを目的としたものではありません。多くのベテラン技術者は経験をもとに(文字にすることなく)頭で考え判断、行動しています。

自動化システムにインプットするには人間特有のニュアンスや五感といったものは通用しないため、例えばベテラン技術者のノウハウを誰が見てもわかるように文書化し、プラントのノウハウとして記録しておく必要があります。

三つ目は、他事業所や他社との情報共有です。私たちがお客様から問い合わせを受けた際、まず始めにおこなうことが類似事例の確認です。

メーカであり当然と言われるとそれまでなのですが、ごくまれにお客様内で情報共有できていないことがあります。

イメージとしては、A社B工場のトラブルを相談され調べてみると、実はA社C工場でも過去に同じトラブルを抱えていた、といった内容です。

この情報化社会においては単独で情報を抱え込むことにメリットは少なく、積極的に外部へアクセスし他プラントや他社の事例を共有、大きな枠組みでノウハウとしていくことが必要です。


 ここまで、トラブル事例整理ノウハウの文書化情報共有の3点を紹介しました。レベル4,5を想像すると遠い未来のように感じてしまいがちですが、こつこつとした日々の取り組みが自動運転に向けた道筋となり、日常業務の一助として頂けたら幸いです。

最後までお読み頂きありがとうございました。また読者の皆様にとって有益な記事を書いていきますので、是非フォローをお願い致します。

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。