発電プラントの新しい日常(定期検査編)

こんにちは。今日は、前回の基礎編を踏まえて、発電プラントの定期検査ではどのような新しい日常がやってくるのかを書いていきたいと思います。

まず、発電プラントの定期検査の現場とはどのようなものか、おさらいしていきたいと思います。

発電プラントの定期検査

発電プラントは、設備の故障が発生すると、お互いに接続されている電力網全体へのインパクトが大きいものです。2018年9月に起こった北海道の大停電を覚えていらっしゃる方もいるかもしれません。

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一つの発電プラントが停止すると、その分需要と供給のミスマッチが発生し、そのことによって同じ電力系統に接続されている他の発電プラントの設備が影響を受けます。

一定以上の影響を受けると、発電プラントの破損を防ぐために停止させることがあります。それによりさらに需要と供給のミスマッチが起こるという連鎖反応が繰り返されているわけですね。

ということで、発電をビジネスにする企業に対しては、キチンとした設備のメンテナンスが求められていることから、経済産業省が定期的な検査の実施を定めています。

また、企業としては、発電プラントが停止するということは、自動車メーカーでいうところの「工場で自動車が作れない」状態と同じことになりますので、経済産業省には要求されていないけれども自主的に検査を実施するという判断もなされています。

ということで、定期検査は、電力システムの安定と自社の経営のために、以下の2つのことを目標にして関係者が奮闘することになるわけです。

①必要な設備管理をできるだけやりたい

②できるだけ短い期間で成し遂げたい

①と②を両立させるために、ある程度集中的に多くの人に現場に来てもらって、なるべく短い期間で検査をやり遂げるということを実行されています。

そのため、プラントの規模にもよりますが、数週間から数か月までの検査期間に、数十~数百にもなる人が出入りして定期検査を実施しています。

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定期検査の「3密」

定期検査の期間中は、発電プラントに仮設の事務所(ユニットハウス)がつくられることが多くあります。

仮説の事務所では、たくさんの人が集まり、朝礼をしたり、体操をしたり、昼食を取ったり、昼礼をしたりということが行われています。

特に昼食の時間は所狭しと並べられたテーブルに人が密集していて、この風景は、いわゆる「3密」を形成しているといえるかもしれません。短い検査期間でやるべきことをたくさんやろうとするとどうしても様々な技能を持った方を、たくさんお呼びして早く終わらせたいですよね。

3密を回避するヒント

それでは、3密を回避するためにはどのような取り組みが有効でしょうか?少し極端な例ですが、ヒントになりそうな事例がありましたのでご紹介します。

海外の企業が製造した設備を日本に持ってきて発電プラントで利用するケースがありました。その会社のエンジニアはインドに住んでいます。

インドでも当然ウィルスの猛威があり、入国はかなり制限されています。「日本に来て、設備の検査に立ち会うのなんてとんでもない!」ということでした。

これを受けて、関係者は考えた結果、どうしようもないのでタブレットを現場に持ち込み、ビデオ通話で、インドにいるエンジニアと確認をしながら試験をしたようです。

すると、一部の仕事は、「画素数が粗いのでよく見えない」とうまく行かないこともありましたが、意外とデータを共有しながら打ち合わせが出来てしまったようです。

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効率的な定期検査

いかがでしょうか?今回の例は3密を防ぐというより、そもそも人を現場に読んでこられないので仕方がないから始めたことでしたが、意外とこれからの「新しい日常」を考える良いヒントを含んでいるかもしれません。

インドからエンジニアを日本に呼ぶと、その人の旅費、宿泊費、人件費が発生します。その人と現場で対話するために英語ができる日本人エンジニアも現場に呼ぶ必要があったかもしれませんね。そう考えるとかなりとコストダウンになっていると思います。

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新型コロナウィルスの感染リスクを考えることは、実は効率的な定期検査の在り方を考えていることと似ていると思いませんか?

まとめ

日本国内で考えても比較的感染リスクが高いベテランさんはオフィスから遠隔で若手のサポートをし、若手は現場経験を増やしてますますスキルを身に着けることができるかもしれません。

なかなか進みづらい技能伝承も今回の件をきっかけに動き出すと良いですね。

幅広いスキルを一人の人に身に着けてもらって少ない人数でさまざまな仕事をこなしてもらうことを目指されている会社さんも多い中で、今回の件は、ヒントをくれているかもしれません。

人材育成に時間をかける余裕があまりないのであれば、オンラインでサポートを受けるべきこと、現場でないとできないことに仕分けをして、現場でないとできないことに関連するスキルだけ多能工化していけば良いのかもしれませんね。

ベテランさんしかできないこと、若手でもできることについても切り離して考えてみるときっと個別のみなさまの状況に合わせた、効率的に定期検査を運営していく良いアイデアが浮かんでくるかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!今後も設備管理に関する記事を投稿していきますので是非いいね!フォローをよろしくお願いいたします!

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