ボイラ制御基本の「キ」vol.3~効率が1%上がるといくら儲ける?~

こんにちは!!

今回は、ボイラ・タービンを運用するみなさんにぜひ頭の片隅に留めておいてほしい、ボイラ効率の話をしたいと思います。新入社員の方などぜひ若手のみなさんに紹介してみてください。

(キーワード:効率、蒸発倍数)

燃料代はいくら?

質問です。

みなさんが運用しているボイラの燃料費、年間いくらかかっていますか?

 A. 1000万円

 B. 1億円

 C. 10億円

そんなの経理や調達部門に聞かなきゃわかんないよ、、、。いえいえ、ボイラの大きさと燃料の種類がわかれば、おおよそ推測することができるんです。

この記事を読んだ後、新入社員の方にも ”こんなの簡単だよ” と言ってもらえるように、わかりやすく説明したいと思います。

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ボイラ効率

お金の話をする前に”ボイラ効率”について少し説明します。「効率」を国語辞典で引いてみました。

効率・・・・・

 ①得られた成果に対して費やした労力や時間の割合。

 ②機械によってなされた仕事の量と、それに使われたエネルギー量との比。

んー、②のほうがボイラに当てはまりそうですね。ボイラの仕事は蒸気を作ることで、ボイラの燃料は石炭や重油であることから、ボイラ効率とは、ボイラから出てきた蒸気の持つエネルギーと、投入された石炭(重油)の持つエネルギーの比、と説明することができます。

では第2問、ボイラ効率は何%でしょうか?

 A. 50~60%

 B. 80~90%

 C. 110~120%

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Cの100%超えはあり得ませんよね。そんな機械があればいっぺんに環境問題が解決できそうです。ちなみに、自動車のガソリンエンジンは良くて50%だそうです。ということで正解は、残ったBになります。ボイラって優秀なんだなと思いますよね。もちろん大きさや型式、燃料など一概には言えませんが、80~90%くらいと覚えてもらって大丈夫です。

(ボイラ効率についてもっと知りたいという方は、熱損失法入出熱法といった言葉でぜひググってみてください。)

蒸発倍数

次に、蒸発倍数という考え方を紹介します。簡単に言えば、燃料1トンに対して何トンの蒸気が出てきますか?、という値です。おおよそ、石炭は8倍重油は13倍天然ガスは16倍です。石炭1トンを投入すると、8トンの蒸気がボイラから出てくるんですね。

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それではいくらかかるのか?考えてみましょう。

ここまでの情報を整理します。今回は参考に、蒸気出力100トンの石炭を燃料とするボイラを用いて考えます。

必要な石炭は

 100 [ton/h] ÷ 8 (蒸発倍数) = 12.5 [ton/h]

これは1時間あたりに投入される燃料なので、24時間では、

 12.5 × 24 = 300 [ton]

年間300日運転すると考えると、90000[ton]。石炭の価格は1トン1万円(※)くらいなので、

 9万 [トン] × 1万 [円] = 9億 [円]

つまり、100トンの石炭焚ボイラの燃料代は年間9億円かかるんですね。200トンだとその2倍、300トンだと3倍です。

それぞれの値を、運用しているボイラに置き換えてみると、最初の問(年間いくらかかっていますか?)の答えが出ると思います。

(※石炭や重油、天然ガスはみなさんの調達や購買部門の方ができるだけ安い価格で仕入れているはずですが、市場価格は検索すれば簡単に出てきます。原油価格が急上昇しました、なんて言葉はニュースでもよく耳にしますよね。)

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効率を上げると?

本題に移ります。効率を1%上げるということは、使う燃料を1%減らすことができるということなので、9億円の1%、、、そう、900万円です。人によってはたいしたことないな、と感じるかもしれませんが、これが10年、20年になったらどうでしょうか。結構な大金になってきましたね。反対に、効率が1%下がれば、それだけ無駄な出費が増えてしまうということなんですね。

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少し長くなってきたので、今回はここまでにしたいと思います。次回は、効率を上げるということについて、最近のトレンドも交えてお話したいと思います。

まとめ

今回はボイラを運用する上で意識したい効率について説明しました。

 ・蒸発倍数を用いると、燃料消費量がおおよそ把握できる

 ・ボイラ効率の良し悪しによって大きな金額が動く

プラントエンジニアである私ですが、近所で1円でも安いガソリンスタンドを探して給油しているのに、これまでお客様のボイラの燃料代を気にしたことはあまりありませんでした。(反省すべきことです。)ボイラに携わる者として、反省の思いも込めて書かせて頂きました。

最後まで読んで頂きありがとうございました!これからも読者の皆様にとってタメになる記事を書いていきますので、是非ブログページの下部にあるメールフォローの登録をお願い致します。

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