「明日失敗しない」、太陽光パネルを設置することになった場合の基礎知識

Solar System Roof Power Generation  - ulleo / Pixabay

急に変なタイトルがでてきたな。なんて思われている方もおられるかもしれませんが、今回の記事では、太陽光パネルの設置について、つい誰かに話したくなるような基礎知識をまとめています。

企業のみでなく、ご自宅の敷地や屋根に太陽光パネルの設置を検討されている方は是非ご一読ください。頭の片隅に置いていただければ、きっと近い将来役立つと思います。

1)これからの日本の電源事情とは

CO2削減世論の中で、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーが台頭し始めていることは読者の皆様もご存じのとおりかと思います。日本でどのくらい再生可能エネルギーが増えるかと言うと、後10年後の2030年には、電源構成の22~24%を占めるようになると予測されています。近い将来(または既に)太陽光パネルを自工場内の敷地や屋根のみならず、自宅に設置してみませんか?といった営業が来ることもあろうかと思います。そんな時知っておきたい基礎知識について今回ご紹介させていただきたいと思います。





出典:「2030年エネルギーミックス実現へ向けた対応について~全体整理~」(資源エネルギー庁)、p.12(https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/025/pdf/025_008.pdf)(2020年6月19日に利用)

2)太陽光パネルの設置の向きって?

新幹線に乗車すると、太陽光パネルの枚数が日に日に増えていくなと、日本の電源構成の変化を肌で感じられる一方で、設置方法に違和感があるものが多く見受けられます。

下の図は太陽光パネルを南側の屋根に設置した家と、太陽光パネルを北側に設置した家のポンチ絵です。さて皆さん、どちらの家の太陽光パネルが年間の総発電量が多いと思われますか?

正解は太陽光パネルを南向きに設置した家の方が年間の総発電量は大きくなります。北半球に位置する日本では南向きに設置すると太陽と正対する(向かい合う)時間(機会)が増え、その分、発電量も増加します。オーストラリアにご自宅をお持ちの方は北向きに、ケニアに工場があれば赤道直下なので地面と水平(天頂)に向けて設置すれば良いことになりますね。

では、東向きや西向きに設置した場合はどうでしょうか。東に向ければ朝方に、西側に向ければ夕刻に発電量が増えるということは想像しやすいかもしれません。ただし、太陽エネルギーは、基本的には朝夕よりも昼間の方が多く地上に降り注ぎます。これは、我々の上空にあるオゾン層が関係していて、昼間の方が太陽光はオゾンを通過する距離(量)が短くなることに起因しています。

日射強度が強い時刻に最大効率で発電できるようにすることが年間の総発電量の増加につながるため、太陽光パネルの設置角度は、日本では真南、傾斜角度は約20度~30度が最適になります。もし東向きまたは西向きに設置してしまった場合は約15%、北向きの場合はなんと約30%も年間の発電量が低下してしまうから驚きです。

3)注意したい真南と磁南

前節で太陽光パネルを真南に設置する重要性は分かっていただけたかと思いますが、ここまで分かっていてもいざ検討を始めると、真南と磁南を間違えることがよくあります。我々の良く知るコンパスは真北を指さず、磁北を指します。これは理科に詳しい方はご存じのとおりですが、北極点と磁北極とが異なるためであり、例えば札幌では約9度西、那覇では約5度西にずれています。もし磁南で設置してしまうと、これだけでも年間の発電量として見れば約3%は発電量が低下します。地域性に左右されるコンパスや、経験則(海の方が南側だよ)といったものに頼らず、GPSやグーグルマップ、最近では携帯のアプリのコンパス機能で磁北と真北とを切り替える機能も備えていますので、それらを活用するとよいでしょう。


出典:「真北と磁北」(国土交通省、国土地位院ホームページ)(https://www.gsi.go.jp/KIDS/KIDS11.html)(2020年6月19日に利用)

ここまで細かく設置の向きについてお話をするのは、土地または屋根の形状に依存して、どうしてもきっちりそれらに埋まるように(インスタ映え、写真映えするように)太陽光パネルを設置してしまいがちだからです。皆さんには見栄えだけのために大きな損をしないように、強い心を持っていただきたいと思います。

4)年間日射量からみる太陽光パネル設置の向き不向き

今までは太陽光パネルの設置方向について議論してきましたが、もう一つ、日本の日射量について考えてみたいと思います。太陽エネルギーを使う設備なのですから、雨や曇りが多い地域は不向きであり、太陽がサンサンと降り注ぐ晴れの日が多い地域が向いているといえますよね。下図は日本の全天日射量の年平均を地図上に描画したものになります。宮崎、高知、名古屋、長野は緑~黄色にマッピングされ日射量が豊富であることがわかります。一方で、広大な土地に恵まれた北海道、東北地域や、雨の多い日本海側地域は日射量に乏しい。だいたいこの差は日照時間でいうと年間約1000時間相当の違いになりますから、超概算だと1000h÷24hで年間約41.7日分、晴れの日数が違うことになります。お住まいの地域が年間で晴れの日が多いかどうか下調べしておくことも重要なポイントの一つですね。


出典:「全天日射量 年平均 NEDO日射量データベース閲覧システム」(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO))、
(http://app0.infoc.nedo.go.jp/colormap/colormap.html)(2020年6月19日に利用)

いかがでしたでしょうか。太陽光パネルの設置って意外と奥が深いんですよね。まだまだ話足りない部分もあるのですが、今日はここまでにさせてください。最後まで読んでいただきありがとうございました!また読者の皆様にとって将来有益な記事を書いていきますので、是非フォローをお願いいたします。

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