【用語解説】排ガスの流れについて

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汽力発電プラントについて基本的な知識を説明していきます。汽力発電プラントには、燃料、排ガス、給水・蒸気、冷却水などいくつかの流れがありますので一つずつ理解していきましょう。

今回は、「排ガスの流れ」について簡単に説明いたします。流れを追いかける中で、関連する設備の名前が出てきますので、設備の役割についても簡単に説明させていただきます。

1.排ガスの流れ概要

汽力発電プラントの全体像を示したものが以下の図になります。その中で、排ガスの流れは、赤い矢印で示されているものになります。ポイントに絞って説明してまいります。

2.ボイラ炉内から空気予熱器

排ガスはそもそもどこで発生するのでしょうか?それは、ボイラの中で発生します。バイオマス、石炭、重油やその他黒液やBFGなどの副生物がボイラの燃料として利用されていますが、燃料は燃焼すると、排ガスを発生します。以下の図の赤い矢印が発生したガスのボイラの中での流れになります。図はバイオマス燃料の場合ですが、排ガスの流れについては燃料に関わらず基本的に同様になります。

排ガスの発生

ボイラの中(=炉内という)で発生した排ガスは図の通り炉内を流れながら複数の伝熱管の間を通っていきます。排ガスは非常に高温であり、出来るだけその熱を無駄にしないように複数の伝熱管でその熱を交換し、無駄にする熱を極力少なくとするような構成になっています。

<脱硝装置>

ボイラ炉内から外に出た排ガスは、次に脱硝装置を通ります。脱硝装置では俗にNOx(“ノックス”と読む)と呼ばれる排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去する役割をもっています。アンモニアを注入し、触媒と呼ばれるものを利用して排ガスとアンモニアの化学反応を促進することで実現しています。

空気予熱器

脱硝装置を出た排ガスは、空気予熱器(エアヒーター、Air Heater、略してAHとも言う)へ続きます。ここでは排ガスの熱を利用して、燃焼に利用するための空気を加熱しています。バーベキューするときに薪に火をつけるためにうちわなどであおぐと思いますが、同じように燃焼用の空気がボイラに送り込まれるのです。この空気の温度が高い方が、燃焼されやすくなるためこの空気予熱器は効率を上げる役割をしていることになります。

3.電気集じん機から脱硫装置

空気予熱器を通過した排ガスは、電気集じん機に送られます。ここで排ガスに含まれる煤塵(ばいじん)と呼ばれる微粒子が取り除かれていきます。電気の作用により微粒子が電極に付着し、その微粒子は下側のホッパから取り出され、回収されます。ここで取り出される微粒子の正体は灰です。灰を英語にするとAsh(アッシュ)であることから、「フライアッシュ」と呼ばれ、主にコンクリートの材料に利用されています。電気集じん機は英語にすると「Electrostatic Precipitator」と訳されることから「EP」と略して呼ぶ人もいます。

<電気集じん機>

電気集じん機を通過した排ガスは次に脱硫装置に送られます。脱硫装置の「硫」の字は硫黄分を意味し、俗にSOx(”ソックス”と読む)と呼ばれる硫黄酸化物を除去する役割を担っています。燃料中に含まれる硫黄分が燃焼され、排ガス中でSOx成分を形成します。この脱硫装置は、「石灰石膏(こう)法」と呼ばれる石灰石を水に溶かして排ガスと混ぜることで除去する方法と、石灰水の代わりに海水を利用する「海水法」という方法があります。石灰石膏法では副生物として石膏が生成され、それがセメント原料として利用するためにセメント工場で受け入れられていたりします。脱硫装置のことを英語では、Flue Gas Desulfurization Plantなどと表現されることから、頭文字をとって「FGD」と呼ばれることもあります。

<脱硫装置>

4.ガス-ガスヒーターから煙突出口

プラントによって設置されているケースとそうでないケースがありますが、ガス-ガスヒーター(英語ではGas Gas Heater、略してGGH)と呼ばれる設備が煙突の手前と脱硫装置の手間に設置されています。こちらの設備の主な役割は煙突から出る白煙の防止となります。脱硫装置を経た排ガスは石灰水などと混ざる際に水分を含み、温度が下がります。多くの水分を含んだ低い温度の排ガスは煙突から出ていくときに、モクモクと白煙を出します。冬場に口から出る吐息が白くなるのと同じメカニズムです。

正体はただの水蒸気なのですが、近隣住民の方のご要望や景観の問題で白煙を出さないようにしたい場合にはこの設備を導入しています。

<ガス-ガスヒーター>

<煙突>

まとめ

いかがでしたでしょうか?これで、汽力発電プラントの排ガスの流れについて説明を終わります。引き続き、お役立ち情報を配信して参りますのでよろしくお願いいたします!

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