ミルの役割と構造について【用語解説】

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この記事では、ミルの役割についてわかりやすく説明していきます。微粉炭機と呼ばれたり、英語ではPulverizerなどと表現されます。

ミルと言えば、身近な例としてはコーヒーミルでしょうか?コーヒー豆を細かくすりつぶして粉にして熱湯を注いでコーヒーを入れますよね。汽力発電プラントでミルというと、コーヒー豆ではなく燃料を細かくすりつぶすために設置されています。

従来は主に石炭の粉砕のために利用されていましたが、近年ではバイオマスのニーズが高まっており、バイオマスペレットの粉砕に利用されるケースが増えてきました。

木質ペレット

石炭の場合、受け入れた時点では約5センチ以下のサイズなのですが、このミルを通った後では、小麦粉のようなパウダー状になります。一つ一つの粒の大きさでいえば50~100μm程度になっています。

左が粉砕前、右が粉砕後の石炭

何のためにすりつぶすの?

まず浮かんでくる疑問は、いったい何のためにすりつぶすの?ということではないでしょうか。答えは投入した燃料を無駄なく利用するためです。

コーヒー豆を細かくすりつぶしてから熱湯を注ぐと、コーヒーの成分がたくさん抽出されますよね。元の豆と比較してすりつぶすことで熱湯と触れ合う表面積が大きくなってそれだけたくさん成分が抽出できます。

汽力発電プラントでは、木質ペレットや石炭は燃料として使用されます。その際、細かくすりつぶされている方が表面積が大きくなり、同じバーナーの火炎、同じ酸素の量の条件では、未燃分を少なくしてくれる効果があるわけです。未燃分というのは、ボイラー設備の燃焼性を評価するための指標の一つで、「燃料のうち、どれくらい燃え切らずに残ってしまっているか?」ということを示すもので、少ないほど良いとされます。

どんな構造になっているの?

次に疑問になるのが、ミルの構造がどんな様子になっているかということだと思います。一つのボイラーに対して、通常バーナー段に応じて複数設置されていることが一般的です。その一つのミルに注目してみると以下の図のようになっています。

ミルの構造

上部から落ちてくる原炭(すりつぶす前の石炭や木質ペレット)を粉砕テーブルローラーの間でグリグリとすりつぶしていくところが基本的な原理です。粉砕テーブルはその下にある減速機(モーターで動く)によって回転しており、ローラー(別名タイヤ)がその名の通りテーブルの回転に応じて回っています。

ローラーや減速機には軸受(ベアリング)という部品が使われているのですが、これを供給しているメーカーが少なく需給がひっ迫するとすぐに発注後のリードタイムが長くなってしまいがちです。ぜひ交換のタイミングには気を付けたいですね。余談ですが、筆者は昔調達部門に所属していた時に納期調整に苦労した記憶がございます…

そのままですと粉砕された燃料がミルの中にたまっていく一方なので、搬送用の空気が投入されています。空気の力で粉砕されたパウダー状の燃料が上部に巻き上げられ、バーナーへ搬送される仕組みになっています。粉砕する目的は効率的に燃焼されることでしたので、どんなサイズのものもバーナーに送り込んでよいというわけではありません。

目的とする燃料のサイズになっていないものは、重力に負けてそもそも下からの搬送用空気で吹き上げられないし、吹き上げられたとしても次に分級機という設備がはじき返してくれるようになっています。

分級機を通過できたものだけがバーナーに送り込まれ、ボイラーの炉内で燃焼される仕組みになっています。こうすれば未燃分が大きくなってしまうような大きなサイズの燃料は使われることはありませんよね。ちなみにこの搬送用に利用される空気のことを一次空気と呼び、外気から取られた空気が空気予熱器で熱交換された熱空気となっています。搬送するためだけでなく、燃料中の水分を乾燥させる役割も担っているんですね。

いかがでしたでしょうか。以上でミルの役割と構造に関する説明はおしまいです。引き続きお役立ち情報を提供してまいりますのでよろしくお願いします!

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