脱塩装置の役割について【用語解説】

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ソーダ回収ボイラの保全業務に関わる方なら聞いたことがあるかもしれません。脱塩装置の役割についてご紹介いたします。

脱塩装置(脱カリ装置とも呼ばれる)の役割とは、電気集じん機(Electrostatic Precipitator, 略してEP)の下部から排出される灰(EP灰)からカリウムと塩素を同時に除去して芒硝を取り出すことと言えます。ちょっと細かいですが、メカニズムは以下のような形となります。

左上のEPホッパから排出されたEP灰は、スラリー化槽で水と混合され、析出槽へ送られ、冷やされ、芒硝として析出していきます。これを脱水した上で黒液と混合されていくわけです。

三菱重工技報Vol36 (1999) より抜粋

どうして塩素(Cl)やカリウム(K)を除去しなければならないのか?という話ですが、実はこれらが多く含まれているほど、ボイラー炉内で灰が付着しやすくなってしまう傾向があるからです。灰が付着すると伝熱が阻害されたり、正常にガスが流れにくくなりトラブルを引き起こす原因となってしまいます。

下の図は濃度が濃くなるほど粘着温度というものが下がり、それがゆえに灰が付着しやすくなるという特性をトロント大学のTranらが整理したものです。

Tront大学 Tranらによるまとめ

また、それだけではなく、過熱器などのボイラーチューブの腐食の原因になっているのが塩素とカリウムとなります。

腐食形態の例(18Cr鋼)

電気集じん機から排出されたEP灰には塩素とカリウムが多く含まれてしまっていますが、一方で、緑液のもととなるとも言える芒硝も含んでいますので捨てるのももったいないわけです。ソーダ回収ボイラが稼働している目的の1つに緑液を取り出すというものがありましたね。

以上の理由で脱塩装置がソーダ回収ボイラには設置され、できるだけボイラ炉内に塩素やカリウムを持ち込まないようにしながらも必要な芒硝はしっかり取り出すという役割を担ってくれています。

いかがでしたでしょうか?これで脱塩装置のご説明は以上となります。引き続きお役立ち記事を配信いたしますのでよろしくお願いいたします。

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