【用語解説】ヒートバランスについて

faceless black female teacher writing on whiteboard

こんにちは。今回は、ヒートバランスとは何かという点を分かりやすく解説してみたいと思います。プラントの省エネや効率改善を考える時には避けて通れない考え方ですので是非読んでみてください。

熱収支という言葉で表現されることもあるのですが、電力、製紙、製鉄、石油化学などのプラントでは大量の熱を複数のプロセスの中で利用されています。

自分が社長となって新規に新しい工場を建設することを計画しているとしましょう。例えば製紙会社の社長さんであれば「今はEコマースの時代だから需要が多い段ボールは、〇〇トン/月で出荷したいな」と思うでしょうか。そのためには、例えば段ボール原紙を△△トン/月で受け入れたいし、工場で必要な蒸気は時間あたり〇〇トンだ、そのために必要な燃料の量は…消費する電力量は…といった検討が求められると思います。

生産したいものを最も効率的に少なく、安いエネルギーで生産をしたいと思いますよね。これを各設備ごとに細かく計算しながら定めるのがプラントの建設時に実施されるプラント計画業務の一つとなります。ヒートバランスはその中心的な役割を果たしています。

「ヒートバランスって結局なんなのよ」という答えに分かりやすくお応えするためにサンプルとして蒸気タービンの周りのヒートバランスを用意してみました。

ヒートバランス線図のサンプル

ボイラから蒸気がやってきて、蒸気タービンに入り、復水器で冷却水によって、水にもどされ、給水タンクへ送られるという非常にシンプルなものです。

この例ではボイラから供給される蒸気の条件とも言うべき圧力・温度・流量・エンタルピが記載されていますね。

タービンの一番お尻のところから復水器に入り、復水器から40℃、40t/hの流量の復水が復水ポンプによって給水タンクへ供給されている流れもあります。

また、蒸気タービンの抽気弁から抜き出され、工場送気としてそれぞれ低圧や中圧の蒸気が送られる蒸気の流れもあります。

これは蒸気タービンの周りに注目した例ですが、こうした計画をプラントを構成する設備単位に落とし込みながら全体として無駄のないヒートバランスを決めそれに沿ってプラントに必要な設備をその仕様に応じて手配していくわけですね。

プラントの生産プロセスでエネルギーをいかに無駄なく利用するかという点で建設時の計画が重要なのはこれで少しはお分かりいただいたかもしれません。もう少し理解を深めていただくためにぜひお手元にある「ヒートバランス線図」または「Heat Balance Diagram」などと書いてある資料をチェックしてみてはいかがでしょうか?

世界経済は常に動き続けていますので、建設当時は「これがもっとも無駄のないヒートバランスだ!」と思っていたものが、計画の前提が崩れ、現在の工場の生産量を前提とすると実はそうなっていないなどと言う事もあります。

変化はチャンス!そういう時は新しく最適なヒートバランスを検討してみて、それに応じた設備の手配や設備の仕様変更などを検討してみると意外と大きな費用対効果が見込める改善案が思い浮かぶかもしれません。是非ご検討ください。

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。