吊り下げ型のボイラ【地震の影響】

gray concrete building

こんにちは。今回は2021年2月13日の11時ごろに東北地方を中心に発生した地震について、今後考えられそうな影響などを書いてみたいと思います。今後の保全業務に役立つと思いますので是非読んでみてください。

地震発生時は都内の自宅にいたのですが、東京でもけっこう揺れました。また、揺れた時間もけっこう長く感じています。体感ですが、5分くらいは横揺れが続いていたような気がします。家族が無事であることを確認してから、テレビをつけてみました。すると、幸い津波の心配はなさそうですが、震度が大きかった地域は北関東から東北で、発電所や工場が多く立地しているような場所です。

2011年の東日本大震災の時、福島第一原発に注目が集まっていましたが、実はかなりの数の火力発電所も被害を受けています。電力中央研究所がその被害状況をレポートにまとめていますが、調査対象の29プラントのうち、稼働していた89のユニットの半分近くとなる40ユニットで「被害・停止」と分類されており何らかの影響を受けています。

2011年東日本大震災の際に被害を受けたプラント

また、同じく2011年当時の被害内容が設備別・原因別で以下のように整理されています。

2011年東日本大震災の時の発電所の設備別・原因別の被害データ

今回は津波の心配がないと言う事で、それ以外に注目してみると、ボイラ設備地震動(地震による揺れが原因)というカテゴリーが最も被害件数が多いようです。

これはどうしてなのでしょうか。それは設備の構造が影響しているのかもしれません。

ボイラ設備は高さ70メートル以上になる場合もあるほど大きな構造物なので、マンションなどと同じように下から支えられているものだと考えている方も多いのですが、実はその周りを囲う大きな鉄骨によって上から吊り下げられています。

ボイラの耐圧部は運転中は高温になり、それに伴って熱伸びを起こします。伸びたときにそれを拘束するものがあるとそこが起点となって損傷などのトラブルになります。なのでボイラの下側に自由度を持たせるためにこうした吊り下げ構造になっているわけですね。ちょうど電車の線路に敷き詰められているレールが熱伸びしても大丈夫なように間隔をあけて配置されているのと同じような感じでしょうか。

こういった構造になっていますので地震で横揺れなどが発生すると、鉄骨が十分頑丈であったとしても、吊り下げられているボイラ自体は揺れてしまうわけです。これが原因となってボイラーチューブが変形したり、チューブを整列されるために設置されている金物が外れてしまったりといった不具合が発生してしまうわけです。

今回の地震でユニット停止など目に見えた問題が起こっていない場合であっても、内部では不具合が発生しているかもしれません。次回点検される際にはぜひ入念にチェックしてみてください。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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